前回(リンク)の続きです(気になる人は、前回の内容をご覧ください)。おさらいすると、飲食店などで、顧客リストを集めてリピーターを増やす方法としては、平均的には、以下の流れで準備をして運用することになると思います。
①スタンプを集めた数によってお客様にプレゼントする特典を考える
②紙のスタンプカードを作成する
③来店のたびにスタンプを押して、再来店を促し、一定数のスタンプを貯めたお客様に特典をプレゼント
④特典をプレゼントするのと引き換えに、お客様のお名前や住所、メールアドレスなどの情報を頂きお客様リストを作成していく。
⑤スタンプカードの運用を続けながら、頂いた情報をもとに、お店の情報をメールを送ったり、郵送でダイレクトメールを送り、再来店の動機づけをする
といった一連の流れになるかと思います。
しかし、上記の作業内容では、電子化されている部分がほとんどありません。ということは、どのユーザーが何回来店したか、どれくらい金額を使ったか、直近何日に来店したか、などを調べることは、ほぼ不可能に近いと思われます。また、上記の作業をするにあたり、どれくらいの時間をかけるか考えてみましょう。
①や②は最初に考えれば済みます。かかっても数時間でしょうか。③も通常のお客様対応の中での作業なので、
問題ないと思われます。最も時間がかかりそうな部分としては、以下の2つの作業になると思います。
——-
④特典をプレゼントするのと引き換えにお客様のお名前や住所、メールアドレスなどの情報を頂き
お客様リストを作成していく。
⑤スタンプカードの運用を続けながら、頂いた情報をもとに、お店の情報をメールを送ったり、
郵送でダイレクトメールを送り、再来店の動機づけをする
——-
④について
お客様リストを作成する部分ですが、将来的にデータの活用を考えると、エクセルなどの表計算ソフトで整理する必要があります。しかも、毎日30分程度を入力時間にさけるとして、ひとりのお客様のデータを1件として、入力時間を考えると、1件当たり2-3分として、30分かけて、10-15人程度の作業です。また、これらの時間を現実的にかけられるでしょうか。
もし、実際にこれだけの時間と労力をかけられるとすれば、毎月300人程度のお客様リストをためることができると思います。
⑤について
お客様リストのメールアドレス宛に、メールを送るか、ダイレクトメールを送付して、お客様にお店のお知らせをして、再来店につなげます。ここで問題になるのは、作業時間とコストです。電子メールの場合は、作業が伴いますが、ほとんどコストがかかりません。ただ、この場合に収集したお客様リストで把握できる情報は、メールアドレスしかなく、すべてのお客様リストに同じ情報しか送ることができません。
一方で、郵送にてダイレクトメールを送る場合を考えると、作業内容として、たとえば、ハガキを送ろうとする場合、ハガキの文面を考え、印刷をします。印刷はもし外部に依頼する場合であれば、費用がかかります。そのあとは、実際に送るとなると郵送料がかかります。たとえば、500通を送るとなると、62円×500通=31,000円の費用がかかります。
●まとめ
紙のスタンプカードを運用し、来店したお客様に定期的にアプローチすると考えた場合、以下のような手間コストが最低でもかかる計算になります。
-全体の作業時間:約13時間/月間(リストの作成と郵送作業または電子メール送付)
-コスト:31,000円の費用(ハガキを500枚送付の場合の郵送代金。印刷代金、用紙代金は含まず)
(電子メールでお客様にアプローチする場合は、インターネット接続料程度)
全体の作業時間に注目すると、1ヶ月のうち、1日分以上の労働時間をかけての作業になります。その場合、あなたの店舗でのかけられるコストはいくらでしょうか?(いくらまでかけられるでしょうか?)
次回(飲食店などで、顧客リストを集めてリピーターを増やす方法(3/3))に続きます。